最低賃金1500円実現を

 

中小企業労働者、非正規労働者など すべての労働者の賃金改善めざし
大阪府最低賃金1500円以上の実現を求める意見書

昨年、大阪府最低賃金は31円上がり時間額1023円になりました。しかし急激な物価高騰をカバーできる金額には遠く及ばず、非正規労働者などの生活は困窮しています。

23春闘で私たちは物価高騰を補う大幅賃上げを求めて奮闘しました。また経営者側も人材確保の観点からベースアップを含む大幅賃上げを回答しています。しかしその多くが正社員だけに限られていたり、非正規雇用労働者や派遣・委託・下請けなどの関連労働者、さらに中小零細企業で働く労働者にまで賃上げが行き渡っていない状況です。

私たち全国一般労組大阪府本部は、中小企業で働く労働者を中心に組織し、パートや介護ヘルパーなどの非正規労働者を多く組織しています。ほとんどの中小企業は、コロナ禍の厳しい状況から回復傾向にあるものの円安や原油高による経費増などで業績回復はほど遠く、賃金改善が進んでいません。パート労働者の賃上げも最低賃金改定がなければ進まない状況にあります。

最低賃金並みの時間給1000円台前半で働くパートや定年後再雇用者などの賃上げ・生活改善には最低賃金の大幅引き上げが不可欠です。私たちは同時に、中小・小規模事業者が賃上げに対応できるように、減税や社会保険料の負担軽減など事業者への支援策を政府に求めています。

全労連「生計費試算調査」が、全国の都道府県で実施されています。大阪では約1万人分の調査で時間額1,633円(男性、月150時間換算)が必要という結果が出ました。大阪と同じAランクの東京都(北区)では時給額1,664円、現行最低賃金でもっとも低い853円の高知市でも1,665円という結果です。つまり、最低賃金は全国一律で1,500円以上が必要だという結論にいたります。

政府は「今年は全国加重平均1,000円の達成を含め、しっかりと議論を行う」としていますが、1000円ではまともな生活はできず、3%程度の引き上げでは、物価上昇率に到底及びません。

海外では、物価高騰に対して最低賃金を抜本的に引き上げ、労働者の生活を守る政策が取られています。オーストラリアは7月から8.7%引き上げ2,230円に、米国ロサンゼルス市は、7月から時給15ドルから16.04ドル(約2000円)に引き上げられると報道されています。労働者の生活を支え、消費購買力向上による経済好循環のためにも最低賃金の大幅引き上げをすべきです。

以上のことから、大阪地方最低賃金審議会は、府下労働者の実態をふまえ、最低賃金法第1条の「労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与する」ための最低賃金とするべく、下記項目の実現に向け議論を尽くされるよう求めます。

1.物価の高騰による生活悪化を改善させるために、大阪府の最低賃金を大幅に引きあげると共に、生計費原則に基づき早期に1,500円に到達させること。

2.全国・全産業一律最低賃金制を確立すること。

3.最低賃金を日額・月額でも設定すること。

4.最低賃金の大幅引き上げと同時に公契約法の制定、中小企業関連予算の増額、中小企業支援策の強化を進めると同時に、中小企業に負担を強いる施策を行わないよう政府に求めること。

以上

 

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