職場の色々な問題を「労働組合的」に考えます。

残業代はきちんと支払われていますか?

 労働基準法では実働で1日8時間、週40時間を超える労働には25%増し(大企業は月60時間を超えると50%増し)の賃金を支払うことが定められています。パート労働者でも同じで、会社はたとえ1分でも支払い義務が発生し、実際に働いた時間で計算しなければなりません。
 会社が残業代を抑える目的で残業時間の上限設定や残業代を「「一律○○円」と決めている場合がありますが、厚生労働省の指針ではそれを認めていません。残業を自己申告制や事前申請にしている会社で、残業申請がなく働いた場合でも、上司がそれを知りながら黙認している場合には、「黙示の指示」があったと見なされ、残業代の支払い義務が発生します。

●休憩はきちんと取れていますか? 

 会社は、1日実働8時間を超える場合は1時間、1日実働6時間を超える場合には45分の休憩時間を、労働時間の途中で与えなければなりません。また、休憩時間は労働者がいっせいにとれること、自由に利用できることが原則となっています。
 昼休みなしで働かなければならない場合、上司の明確な指示・業務命令がない場合でも、実態からいって時間外労働せざるをえず、働いていることを上司が黙認している場合は、業務命令があるのと同じ(黙示の指示)で、残業代支払いの対象となります。

●有給休暇はとれていますか?

■有休は権利です
 年次有給休暇は国が労働者に権利として認めているもので、会社は労働者が6ヶ月継続勤務し、全労働日(仕事のある日)の8割以上出勤していれば付与する義務があります。年休10日以上の労働者に最低でも5日の有休を与えないと経営者は罰せられます(罰金最高30万円)。
■理由はなんでもいい
 有給休暇を請求するのに理由は必要ありません、会社が理由に干渉することは違法になります。
■いつでも取れます
 いつ有給休暇をとるかも労働者が決めることが出来ます。会社には時期変更権がありますが、変更できるのは「正常な事業が妨げられる場合」に限られており、「ただ忙しい」だけでは変更できません。   勤続年数と労働時間ごとの年休日数一覧はこちら

賃金を一方的に下げられませんでしたか?

■労働契約は一方的に変更できません
 労働者が会社との間で「働く」と約束したことを「労働契約」と言います。その内容を変更するためには変更したい当事者(会社)が相手(労働者)の合意を得る必要があります。
■就業規則は会社が決めるもの?
 10人以上労働者を雇う会社は就業規則を定める必要があります。労働法上は会社が一方的に決めることができるとされています。この「就業規則の変更」を利用して賃金や労働条件の引き下げを行おうとするかもしれません。
 しかし、それが認められるのは、会社が就業規則を変更する必要性があるのか、労働者の受ける打撃の大きさ、代償措置の有無、変更する際の手続き方法などが、妥当であると認められる場合です。たんに「経営が苦しい」というだけでは通用しません。

●パートにも残業代や有給休暇が保障されていますか?

 非常勤労働者でも労働条件に関する権利は常勤労働者と同じです。労働組合に入って経営者と交渉することはもちろん、そのことによって解雇など、不利益な扱いをすることは許されないことです。
 全国一般大阪府本部のなかにもたくさんの非常勤労働者が加入し、賃金や労働条件の前進を勝ち取っています。特に、介護分野での労働条件の改善が全国的にも問題となっていますが、大阪府本部には介護ヘルパー(直行、直帰型)の分会もあり、この間移動時間を労働時間と認めさせることや、制服、雨具の支給、一時金の獲得など大きな成果を勝ち取っています。

●「もう来なくてもよい!」と言われたら
■はっきり「イヤだ。」と言いましょう
 解雇、退職強要は合理的な理由なくてはできるものではありません。「イヤだ」と言えば一方的に強行できません。
 大切なことは解雇と言われたとき、絶対に「納得できません」と宣言し、「退職届」の提出には応じないことです。圧力に負けて「退職届」を提出してしまうと「合意退職」として、会社は合理化します。もしも、無理に書かされた場合は数日の間に内容証明郵便で「退職届の取り消し」を通知して、すぐに労働組合に相談してください。
■整理解雇にも厳しい条件があります
 「整理解雇」は会社の経営が厳しいことを理由に行われるものですが、「整理解雇の4要件」という厳しい条件が課せられています。
①:解雇しないと経営の維持が困難になることを立証する。
②:解雇しないための努力を最大限尽くしたか。
③:指名解雇する人選に社会的妥当性があるか。
④:当該の労働者(労働組合)と十分に話し合ったか。
 以上の「4要件」について一つでも欠けたら整理解雇は無効になります。
■普通解雇にも正当な理由が必要
 08年3月1日から労働契約法が施行されました。その第16条で「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする」と定められています。
 たとえば会社は「能力がない」と言いますが、十分な指導もせず、成長を保障できなかった責任を見過ごすことはできません。 売れない商品を無理矢理売らせている企業側にも責任はあります。
 解雇の「社会的に相当な理由」は極めて高いハードルです。会社が解雇理由を並べてもほとんどが「不当解雇」です。